
私は借金の返済に行き詰まり、司法書士事務所に相談に行きました。その時に司法書士の先生からは自己破産を勧められたのですが、自己破産のイメージの悪さから頑なに手続きを拒みました。
何とか生活を切り詰め、任意整理の手続きを行ってもらったのですが、返済を続けられず、結局、自己破産をすることになりました。
テレビや漫画のイメージだけで、自己破産が怖いものだと決めつけていた自分が愚かでした。
免許停止になったことで収入が0に、キャッシングでなんとか食つなぐものの…
私は長年、長距離トラックのドライバーをしていました。家族は妻と2人の子供の4人家族です。住まいは賃貸で貯金もありませんでしたが、問題なく日常生活を送れていました。
ただ、長距離ドライバーは一旦トラックに乗ってしまうと3、4日は自宅に戻れません。忙しい時は1週間トラックに乗りっぱなしです。そのため、3度の食事や休憩時のドリンク代などの出費がかさみ、家計を圧迫していました。
そして、給料日前に現金が足りなくなると、キャッシングでちょこちょこお金を引き出し、給料日に返済するというのが日常になっていました。
この時点では特に大きな借金を抱えるようなことにはなっていませんでした。しかし、ある日スピード違反をしてしまったことで、事態は急速に悪くなっていきます。
実は過去にも30日間の免許停止を受けたことがありました。その時は講習を受けることで実質1日の免許停止で済んでいました。そのため、今回も講習を受ければ1日程度の免許停止で済むだろうと軽く考えていました。
しかし、2回目の免許停止だったので、今回は90日間の免許停止になってしまいました。講習を受けたとしても45日間は免許停止の状態です。これはドライバーにとっては死活問題です。
つまり、免許停止の期間は収入を得ることができません。さらに、貯金もなかったため、罰金や免許停止中の生活費をキャッシングに頼るしかありませんでした。これが悪夢の始まりでした。
しばらくして仕事に復帰したものの、一度増えてしまった借金はなかなか完済することができません。利息の負担も大きく、返しても返しても減りません。
そんな中でも、お金が足りなくなると、ついついキャッシングに頼っていました。返済が苦しくなると、別のカードを作って返済に充て、カードが限度額に達するとさらに別のカードを作って返済に充てる。完全に自転車操業に陥ってしまいました。
気づいた時には借金は400万円を超え、もう自力では解決できないと司法書士事務所に相談に行きました。司法書士の先生からは自己破産を強く勧められましたが、世間的なイメージの悪さから、自己破産を頑なに拒みました。
仕事の量を増やし、生活費も切り詰め、妻にもパートに出てもらうことで、なんとか任意整理で解決することにしました。和解が成立し毎月7万円の返済を継続していくことになりました。
しかし、毎月の生活費とは別に7万円を捻出することは容易ではなく、1年もたたずに返済が滞ってしまいました。
再び司法書士事務所を訪ね、自己破産の手続きをお願いすることにしました。今から思えば最初から自己破産をしておけばよかったと後悔しています。
先生から自己破産の流れを説明してもらい、自分が抱いていた自己破産のイメージが完全に間違っていることに、ここでようやく気がつきました。
テレビや漫画などで描かれる自己破産のイメージを鵜呑みにしてしまい、先生のアドバイスを聞き入れず、頑なに自己破産を拒否してしまった自分が愚かでした。