債務整理は借金問題を解決するための方法です。しかし、デメリットがあるのも事実です。
債務整理をすると、しばらくの間はお金を借りることが難しくなります。また、新しいクレジットカードを作れなかったり、現在利用しているクレジットカードもいずれは使えなくなる可能性が高いです。
急な出費や生活費が足りない時に、お金を借りて急場をしのぎたいと考える人もいるでしょうし、クレジットカードが使えないと不便な人もいるでしょう。しかし、債務整理中にお金を借りることは危険です。仮に、借りられたとしてもデメリットの方が大きいです。
今回はなぜ、債務整理中に借り入れをすることが難しいのか、どのようなデメリットがあるのかをご紹介します。
債務整理をすると借入が難しくなる理由
債務整理をすることで、借入やクレジットカードに影響がでるのは、信用情報機関に事故情報が登録されるからです。
信用情報機関とは、クレジットカードやローンなどの信用取引に関する情報を管理・提供している機関で、個人の借入内容や返済状況などの情報が登録されています。延滞したり、債務整理を行うと、その事実が事故情報として登録されます。
金融機関が貸し付けをする際に、この信用情報を取り寄せ、返済能力の有無を判断する材料のひとつにします。この信用情報に事故情報が載っていると借入審査に通りにくくなることから、「将来、住宅ローンを組みたい」「お金が借りられないと困る」という理由で債務整理を迷われる方が多いです。
しかし、信用情報機関には、どこから、いくら借りているかも登録されているため、借入件数や借入金額が多いと「この人には返済能力がない」と判断されやすく、債務整理をしなかったとしてもお金を借りられない場合があります。
また、債務整理をしても一生、事故情報が残るわけではありません。事故情報が登録されるのは5年から10年程度です。そのため、債務整理で早めに借金問題を解決してから、今後のローンなどを検討するほうが現実的ではないでしょうか。
債務整理を先延ばしにした結果、余計に借金問題が深刻化してしまっては本末転倒です。
債務整理中に借り入れをするとどうなる？
債務整理の手続きが進まなくなる
よくあるのが、債務整理の手続きをしているのに、クレジットカードを使い続けてしまうことです。電気代や電話代などのカード払いの引き落としを止めていなかったり、買い物に利用し続けたりすると、債務整理の手続きを進められなくなります。
債務整理を行うには、正確な債務額を確定させる必要があります。しかし、クレジットカードを使い続けてしまうと、正確な金額が計算できず、手続きが進められません。また、「債務整理をする前提で利用している」「返せないのが分かっているのに利用している」とみなされ、債務整理自体ができなくなる危険性もあります。最悪の場合は詐欺行為で訴えられる可能性もあります。
借金問題が深刻化してしまう
仮に、債務整理中に借り入れができたとしても、その借金を返せるでしょうか。債務整理をしているということは、すでに借金の返済ができなくなっているということです。そこにさらに借金を重ねても返済することは難しいはずです。返せない借金を増やしてしまうだけで、借金問題が余計に悪化してしまいます。
このように、債務整理中の借入は危険ですのでやめましょう。借金が余計に増えてしまうだけでなく、債務整理の手続き自体ができなくなってしまい、借金問題の解決が遠のいてしまいます。
絶対に闇金には手を出さないで
正規の金融機関からお金が借りられないからと言って、闇金からお金を借りることは絶対にやめてください。借金を増やさないことはもちろんですが、法外な利息を請求されるなど、違法な取り立てを受けてしまいます。
さらに、ご自身の職場やご家族、ご家族の職場にまで取り立てをしてくることもあり、周囲の方まで巻き込んでしまいます。
また、闇金と気づかずに借りてしまう場合もあります。「審査不要」「即日融資」などの宣伝文句につられ融資を申し込んだら、実は闇金だったというケースもあります。闇金と関わってしまうと解決が難しくなってしまいますので、絶対に手を出さないように注意してください。
他にも、このような闇金トラブルに巻き込まれてしまいます。
法外な利息を請求される
トイチ（10日で1割の利息）という言葉をテレビや漫画で聞いたことがあるでしょうか。トイチを年利で換算すると365％になります。正規の金融機関であれば、利息制限法で定められた上限利息の20％を超えることはありませんが、闇金に手を出してしまうと、この20％を大きく超えた法外な利息を払わされることになります。
押し貸し
闇金業者が勝手にお金を振り込み、法外な利息を請求してくる悪質な行為です。
完済したのに、ずっと返済を求められる
「まだ、完済していない」「まだ、残高が残っている」など、あれこれ理由をつけて延々と返済を求められることがあります。
携帯電話を契約させられる
新しい携帯電話を契約させ、その携帯電話と引き換えにお金を貸す闇金業者がいます。購入した携帯代の負担が増えるだけでなく、闇金業者に渡した携帯が犯罪に使われると、あなたも犯罪に加担したと疑われてしまいます。
借金問題の解決が最優先
今後の借入が難しくなるからと、借金問題の解決を後回しにすることは危険です。将来の借金よりも、今ある借金問題の解決を優先させることをおすすめします。
借金の返済が苦しくなっている状態で、さらに借金を重ねてしまうと、どんどん状況は悪くなる一方です。もし、それでも債務整理を迷うのであれば、一度、認定司法書士や弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
債務整理について詳しく知っているという方はほとんどいません。まずは、今の借金の状況から、どのような解決方法が最適か、専門家の話を聞いてから債務整理をする、しないを判断しても遅くはないのではないでしょうか。
