なぜ知らない間に借金が増えるのか? 「リボ払い」に潜むワナ 「自動リボ」にもご注意を

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なぜ知らない間に借金が増えるのか? 「リボ払い」に潜むワナ 「自動リボ」にもご注意を
5月4日のに掲載された記事です。
リボ払いについて書いてありますので以下で紹介します。

「複数の貸金業者から借金をする多重債務者。じつは、主婦やサラリーマンなど『普通の人』がちょっとしたことで多重債務者になっている現実があります」。そう語るのは、これまでに1万件もの借金問題を解決し、総額12億円以上の過払い金を回収してきた司法書士で、著書『借金は9割返せる!』が話題の福田亮氏だ。今回は、多重債務の原因として問題視されているクレジットカードの「リボ払い」について警鐘を鳴らしてもらった。
カードと債務が増えていく……
「知らない間に借金が膨れ上がっていました」
そんなことをいう方が、意外と多くいらっしゃいます。借りなければ借金は増えないのに、どういうことだろう? 自覚がなさすぎでは? と思っていたのですが、利用明細を調べてみると、その原因が判明しました。リボ払いです。
リボ払いは、使い方によって、債務の増え方がかなり激しくなります。カード払いであれこれ物を買っても、毎月の支払いは3000円とか5000円で一定です。支払いが一定なので、買ったからといって生活がすぐに苦しくなるということはありません。
贅沢をしているということはあまりなく、小さな買い物を積み重ねているため、お金をたくさん使っているという自覚がほとんどありません。
これまですべて現金で支払っていた人がクレジットカードを使うようになると、財布にお金が残るようになります。そのお金、決して余裕があるから残ったわけではありません。カード決済した分の支払いというのは、必ず請求されるのですから。しかし、手元に現金があると、ついつい外食などに使ってしまう。こうしていつの間にか、お金を余計に使うようになっていくのです。
今月、ちょっとカードの支払い厳しいかも……。そうなったときに便利なのが“あとからリボ”です。こうして、それまで「手数料がもったいない」と一括払いだけを利用していた人が、リボ払いを使うようになります。リボ払いだと、利用額に関わらず毎月の支払いは一定なので、自分が今月いくら使ったのか、ますます把握できなくなります。
こうして、気づいたら多額の債務を抱えているのです。リボ払いの債務がある程度の金額になると、それまで月3000円だった支払いが、5000円、1万円と、残債に応じて引き上げられていきます。それでも使い続けていると、今度はカードの利用枠がいっぱいになり、そのカードが使えなくなる。でも手元にお金がない。どうしよう。新しくもう1枚カードを作ろう……。と、どんどんカードと債務が増えていくのです。
元本がほとんど減らない!
クレジットカードのショッピング枠は、最初は30万~50万くらいが一般的です。この枠いっぱいに使ったとすると、毎月3000円程度のリボ払いでは、ほとんど元金を返すことができません。ショッピングリボの手数料率は、だいたい14~15%。10万円を借りて月3000円のリボ払いにすると、その後全くリボ払いを使わなかったとしても、完済までに3年半もかかります。毎月の支払いのほとんどが、利息の返済に充てられてしまうのです。
そのあたり、皆さんほとんど理解せずに、「便利だから」と使っているようです。
たとえば、年利15%、月1万円のキャッシングリボで子どもの学費50万円を借りたとします。その後全くキャッシングを利用しなくても、全て返済し終わるには、6年半の年月がかかります。追加借り入れをしたら 、またすぐ元本が元に戻ってしまいます。
ある依頼者の取引履歴を見ると、残元本がずっと496000円、495000円と50万円のあたりをウロウロしつづけていました。たまにちょっと使って、また499000円に戻ったりしながら。それがあるとき急に、残債額が変わっています。なぜか突然、99万円とかになっているのです。ずっと返済を続けてきたので信用がついて借入枠が増え、「また借りてしまいました」と。
「返済を続けているから、借金が減っていると思っていたんですが……」
そう思ってしまう気持ちは分かります。しかし、リボ払いの最小返済額は、完済までに3年~6年かかかるように設定されているものです。それを知らずに、「毎月の支払いが少ないほうが楽だから」と返済額を最少額にしておくと、払っているのは利息ばかりで、返済しても返済してもほとんど債務が減らないという状態になってしまいます。
「自動リボ」になっていませんか
また、カードを作るとき、最初から自動リボを設定されていることもあるので注意が必要です。「自動リボ払いにしない」にチェックを入れなければ自動リボになってしまうという設定の契約書にサインした場合、自覚なく自動リボを利用している可能性もあります。また、自動リボにするとボーナスポイントが付与されることが多いため、よく分からないうちにお得感に惹かれて自動リボ設定にしていたということも考えられます。
カードに自動リボの設定がされている場合、会計のレジで一括払いを指定しても、リボ払いになってしまいます。
自覚のない自動リボは本当に危険です。自分は一括払いで支払っているつもりでいるのに、知らない間に債務が増えていきます。債務がどんどん積み重なって限度額に達し、カードが使えなくなったとき、初めて気づくのです。自覚のないまま、50万円、100万円の債務を抱えているということに。
そうならないためにも、自分のクレジットカードの情報をしっかり把握しましょう。
カードの利用明細には、その支払いが一括払いなのか、分割払いなのか、リボ払いなのか必ず明記されています。また、支払い後の残債も書かれています。
数字がたくさん書かれているため、「面倒くさい」とその月の支払い額しか見ない人がいますが、これでは自分の債務を把握することができません。
毎月の支払い額が3万円で「これなら大丈夫だ」と安心していても、債務総額が100万円を超えていることだってあるのです。自分の債務状況をリアルタイムで把握しておかなければ、思いがけないちょっとした出費があったとき、たちまち支払いに困ってしまいます。
毎月のカード明細を見て、今現在、総債務がいくらあるのかを必ずチェックしましょう。
特に、リボ払いを利用している方は、毎月の支払い額が同じなので、明細を確認しない傾向にあります。これが、知らない間に債務が膨れ上がる大きな要因となっているのです。
取材・文/稲田和絵

リボ払いが、ショッピングの多重債務の原因のように書いてある記事ですが、なでこうなるのかが良く分かりません。
確かに、債務整理が必要なお客様でクレジットカードの利用が主の多重債務者もいらっしゃいますが、その多くはショッピング利用ではなく、キャッシングの利用がメインとなっています。
それどころか、ショッピングの利用が全くない方の方が多いのが現状です。
この記事で取材された事務所が特異なのだろうと思いますが、人間の行動を考えても、現金が必要な場合は特にショッピングでカードを利用してしまうと、残枠が少なくなりキャッシング枠を圧迫してしまうので、可能な限りショッピングの利用は避けるのが通常です。

問題の根本は、リボ払いではなく、先の見込みがないにもかかわらず、借りて今をしのぐといった安易な発想なのです。

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