債務整理の悪徳業者

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文春オンラインに面白い記事が載っています。
債務整理に関する記事で、悪徳事務所スタッフの生の声なのです。

「各部署の担当業務を停止して、全員が電話営業で新規顧客の数を増やすことだけ考えろ」です。そんなことをすれば、すでに依頼をしてくれている人たちの和解交渉は進みません。代理人費用はきっちり払っているのに、代理人が仕事をせずいつまでも待たされる依頼者たちが数千人にものぼったのです。当然、まだかまだかと解決を待ち望んでいた依頼者たちからのクレームが殺到しました。上からの指示で「和解交渉に時間がかかっているので……」と嘘をつくのをくり返すうち、罪悪感は日に日に募っていきます。
4/9(木) 6:00配信 文春オンライン引用)

実は、このような事務所が稀ではない可能性があるところが怖いのです。

実際に以前同僚で現在Y事務所に勤務しているAさんと、電話でお話ししたときの話です。
「今の事務所は現場は、和解交渉が滞留しっぱなしですよ。酷い案件は半年前のも何も進んでいませんから。」
そう言っていた話を思い出します。
また、これも元同僚Bさんの話ですが、現在勤務しているS事務所について「これだけ案件があって和解要員がたった3人ですよ。しかも一件一件個別に和解するんですから、溜まっていくの当たり前ですよ。」そんな話を聞きました。

また、文春オンラインの記事を読み進めると、こんなくだりがあります。

弁護士事務所や司法書士事務所では、依頼者から代理人費用をもらって債権者と和解交渉をします。当時、だいたいの費用は15万円~で、債権者の数が2社、3社と増えていくごとに追加費用をもらうシステムを取る事務所がほとんどです。多重債務者であれば、この「代理人費用」は「これから支払い続ける数百万円の利息額」より圧倒的に安くつく上、月々の支払額も低くなるので、私たちとしては「絶対に任意整理した方が返済は楽だし、トータルで支払う金額が少なくなりますよ」と自信を持って提案できるわけです。
(4/9(木) 6:00配信 文春オンライン引用)

文春オンラインの記事では、さらにこう続きます。

ところが問題なのは、借り入れ額が少額の人々です。例えば1社から借りた30万円を普通に返済しても、完済するまでにかかるトータルの利息額は数万円ほど。和解で月々の支払額は下げられたとしても費用が15万円かかり、実質本人にとっては「損」になってしまいます。ならば、うちに払う15万円をそのまま返済にあてちゃうのが一番いいはずです。
(4/9(木) 6:00配信 文春オンライン引用)

これを読んで思わず「あー。」そんな言葉が出てきました。
実は、残念ながら先出したAさんBさんも、同じ内容のことを言っていました。
やってる内容は悪質業者と同じようなものだと思います。
弁護士や司法書士だからといって、全てを任せるであったり信用するといったことを、してはダメなのだと。
このようなことは、弁護士会や司法書士会の倫理規定で、はっきりと禁止されているのです。
にも関わらず、このような事例が出てくることの問題を強く感じます。
それと同時に、今勤務している事務所でよかった。
としみじみ思います。

最後に、今回の文春オンラインの記事を読みながら、私の周りがたまたまではなく、弁護士・司法書士の事務所の中で、このような行為が蔓延している可能性が高いということに恐怖を覚えました。

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