昨今、給与ファクタリングと呼ばれる取引の被害が増加しています。 「給料の前借り」や「消費者金融の審査に落ちた人でも審査OK」、「ブラックでも可能」等と堂々と広告が出ていますが、金融庁は、「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意下さい!」と警告しています。
金融庁(https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/chuui3.pdf)
そもそもファクタリングとは ?
そもそもファクタリングとは、一般的には、個人事業主や企業間の商取引で未回収の売掛債権を買い取りその債権の回収をする金融取引を言います。個人事業主や企業は、売掛債権をファクタリング会社に売却しファクタリング会社から手数料を引いた売却代金を受け取ります。
個人事業主や企業が売掛金を早期に現金化したいケースに用いる手法です。病院や介護施設なども診療報酬が診療してから入金されるまでに2か月程度かかりますのでのファクタリングを使い早期に資金化するケースがあります。この場合、診療報酬の90%まで、その手数料は0.5%程度が一般的です。
一方、給与ファクタリングとは、就業先から受け取る給料を担保にしてお金を借り給料日に返済するという違法取引です。給与ファクタリング業者に連絡するとLineで身分証明書を送るように促され簡単に契約成立するのが一般的です。
10万円でファクタリング契約するとファクタリング業者から振り込んでくるのは、6万円から7万円です。つまり数日間の金利が3万円から4万円ということになります。年換算すると金利は数百%。高い場合には1,000%を超える取引もあるようです。
そもそも貸金業の利息は年20%に制限されていますのでいかに法外な手数料だということがわかります。これが最初は1社のみの利用で段々複数社に手を出して雪だるま式に増えてしまい給料では手に負えないといったケースもあるようです。
給与ファクタリング業者は、金融業ではなく手数料に法律の上限は無いと主張しているようですが、金融庁は、今年3月に「貸金業にあたる」と認識を示しました。金融庁のホームページにも被害例として「年利換算で数百%にもなる利息」「家族や勤務先へのしつこい電話や大声での恫喝」「高額な遅延損害金の請求」と書かれ注意を呼び掛けています。
このような悪質業者に絶対に引っかからないように注意して下さい。