最近は、エステ脱毛や痩身エステなど、美容のための自己投資を惜しまない方が増えてきました。
しかし、こういった美容エステは高額で、コースによっては数十万円になることもあります。エステサロンのしつこい勧誘を断り切れずに契約してしまったり、後から追加のコースや高額なオプションを契約させられたりするケースをよく聞きます。
エステの代金を一括で払えないからといって、気軽にローンを組んでしまうと危険です。エステローンにも高額な利息がついているため、途中で返済が苦しくなったり、すべての施術が終わっても返済だけが残ってしまう場合もあります。
そこで今回は、エステローンの仕組みと、支払いができなくなった場合の対処方法をご紹介します。
エステローンの落とし穴!利息のことまで考えてなかった!
エステ代を一括で払えない場合は、エステ会社からローン契約を勧められることが多いでしょう。ですが、「月額1万円でエステが受けられる」「分割なら払えそう…」と利息の負担を考えずに高額なローンを組んでしまうと危険です。
エステローンは、エステサロンがお金を貸しているのではなく、信販会社や消費者金融と提携している場合が多いです。そのため、15%~18%程度の利息が付加されることが多いです。この利率はキャッシングやカードローンでお金を借りたときの利率とほぼ同じです。
利率が15%~18%と言われても、いまひとつピンとこないかと思いますので、具体的な数字を例にご説明しましょう。どれぐらい利息を取られるのかよく分かります。
例えば、30万円のエステローンを組んで、毎月1万円ずつ支払いをしたとします(利率18%)。この条件で返済を続けた場合、利息だけで約10万円払う計算になります。さらに、すべて払い終えるまで3年5ヵ月もかかります。「毎月1万円だったら大丈夫」と思っていても、それが3年5ヶ月も続くのであれば話は別です。恐らく、エステの施術が終わった後も返済だけが続くことになるでしょう。
このように、ローンの仕組みをよく知らないまま契約してしまうと大変危険です。高額な利息をとられるだけでなく、返済も長期化してしまいます。では、すでに契約してしまったエステのローンはどうすればいいのか解説していきます。
エステローンが返済できない場合の対処方法
エステローンを契約してから8日以内であれば、クーリングオフをして契約を解除することができます。しかし、すでに8日以上、経過している場合はどうすればいいのでしょうか。
方法①中途解約をする
まだ施術を受けていないエステの回数が残っている場合は、中途解約をすることで未施術分の代金をローンの残高から減額してもらうことが可能です。
方法②ローン会社に対して債務整理を行う
中途解約をしてローン残高を減額されても返済が難しい場合や、すでに全ての施術を受け終わっている場合は、債務整理という方法で解決を図ります。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産があります。今回は比較的手続きが簡単な任意整理について解説していきます。
任意整理とは、金融会社と「将来利息の減免」と「分割返済」について交渉を行い、月々の返済の負担を軽くする方法です。
「将来利息の減免」という聞きなれない言葉が出てきたので解説していきます。将来利息とは、今後、返済に伴って払っていく利息のことです。任意整理はこの将来利息を減免してもらうことで返済の負担を軽減します。概ね、元金のみを36回~60回分割で返済していくことになります。
では、30万円のエステローンに対して任意整理を行うとどうなるのか考えてみましょう。
例えば、エステローンの残高が30万円で、毎月1万円ずつ払っていたとします(利率18%)。このローンを任意整理せずにそのまま返済を続けた場合、利息だけで約10万円かかる計算になります。
任意整理はこの約10万円の将来利息を免除してもらえるように交渉を行います。仮に、将来利息の免除と60回分割での和解が成立した場合、月々の返済額を1万円から5,000円に減らすことができます。
※認定司法書士の場合は、 1社あたり 140万円を超える債務を扱うことができませんのでご注意ください。
このように、任意整理は月々の返済額を減らすことで借金の負担を軽くします。
また、任意整理は裁判所を通さず金融会社と代理人(認定司法書士や弁護士)が直接、交渉を行います。そのため、手続きに必要な書類がほとんどなく、依頼人が行う作業も特にないことから、ご家族や職場に内緒で借金問題の解決が図れます。
エステローンが多重債務につながる理由
エステローンが原因で多重債務に陥ってしまう方も多いので、そちらも併せて解説します。
エステローンが多重債務に陥りやすいのは「人に相談しにくい」という背景があるからです。借金問題はただでさえ人に話しにくい悩みです。さらに、借金の原因に脱毛やダイエットと言ったデリケートな話も含んでいるため、なおさら話しにくくなってしまいます。
ご主人や親御さんに知られると怒られそうで、自分だけでなんとかしようとしてしまいます。これが、多重債務に陥ってしまう原因です。
よくお聞きするのが、目の前のエステローンの返済を間に合わせるために、キャッシングやカードローンでお金を借りてエステローンの返済に充てるケースです。しかし、その月の返済が間に合っても翌月の返済もあります。さらに、キャッシングやカードローンの利息分の負担も増えてしまい、借金を借金で返す自転車操業に陥ってしまいます。
自転車操業を繰り返していると、あっという間に借金の金額が膨れ上がってしまいます。一度、自転車操業に陥ってしまうと、ご自身だけで解決することは難しいかもしれません。手遅れになる前に認定司法書士や弁護士に相談しましょう。
ご自身だけで抱え込んでしまうと、かえって状況は悪くなってしまいます。手遅れになる前に早めの解決を図りましょう。