4月6日、WEBメディア MONEY PLUSに、若い人や大学生などに「株や仮想通貨の情報商材を買えば〇〇円儲かる」などとうたうマルチ商法の危険な勧誘が、学内で蔓延している」との記事が出ました。
記事は『消費者金融で借金50万円、情報商材にのめり込んだ大学生の告白』といったタイトルで始まり、情報商材にはまって消費者金融で50万円も借りてしまい、勧誘にも関わった被害学生本人の話として、インタビューを中心にまとめられています。
豊田満さん(仮名、21)は都内の私立大学の文系学部に通う3年生です。自前の名刺を持ち歩き、平日も土日でもスーツにネクタイ姿が印象的です。なんでも、町中で開催されるイベントの企画運営を代行するサークルに入り、実際に報酬をもらっているそうです。いつもスーツ姿なのは「自分の中のスイッチが入るから」だとか。礼儀正しく、社会人と話し慣れている印象です。
豊田さんが以前関わったのは、「L(仮称)」という投資系の情報商材ビジネスです。彼の説明では、商材の購入者に「5分後にこの株が上がる」というメールを送ってくれるというサービスです。
「(サービス運営団体に所属する)プロのトレーダーが、株の上がり下がりを予測しているらしい」と説明する豊田さんですが、「なぜこんなことが予測できるか、運営側の裏側についても自分には分からなかった」とのこと。ちなみに同サービスは公式サイトのようなものはなく、検索すると“被害”を訴えるサイトばかりがヒットしました。
豊田さんがこのLという商材の話を聞かされたのは2017年夏のこと。高校時代の先輩で、不動産会社などの社長を務める男性から「新しいビジネスを始めるので説明を受けに来て」と誘われたのがきっかけでした。この先輩と、「L」側の人間の2人と都内の喫茶店で会うことになりました。後から聞くと、この人物は先輩の所属する情報商材の1コミュニティーを取り仕切る立場だったそうです。
MONEY PLUS記事本文にもありますが、なぜ自分で調べもせず、こんな典型的な手口にかかるのか?不思議に感じます。
本当に5分後に株価が上がるのが分かるのなら、投資会社を設立しファンドを組むのではないでしょうか。
当然、個人投資よりも、投資会社の方が税金も優遇されます。
そんな思いで読み続けた記事の続きはこうです。
先輩たちはまず、「日本の景気と同時に(会社員の)給与も下がる」「年金がもらえなくなり、老後用にお金がどれくらい足りなくなる」などと、将来の不安をあおる話題を省庁のデータとともに説明してきました。豊田さんにとっては知らない情報ばかりだったそうです。
続いて先輩たちは「収入源は1カ所だけでなくたくさん持っておく方がいい」「(会社を)リストラされても、生活を支えられる」と、昔流行った自己啓発書を引用してきました。「投資をしたほうがいい」「それには『L』という商材がある」と、たくみに勧誘の話に誘導したそうです。
最後に運営幹部の人間が席を離れ、先輩と2人きりになった豊田さん。情報商材の購入には50万円もの大金が必要とのことでしたが、豊田さん自ら「興味本位だけどやりたい。僕には(50万円は無いので)どうすればいいですか?」などと聞いてしまったそうです。約半年間もはまり込んだ、情報商材活動の始まりでした。
まず、商材の運営側からのアドバイスで、消費者金融に借金して50万円を工面することに。当然、両親からは「詐欺だからやめなさい」と猛反対されましたが、結局内緒で借りてしまい、別のアルバイトをして何とか返済しました。ちなみに豊田さんによると、学内で別のマルチ系ビジネスにはまっていた知人も、同様に消費者金融に借金して料金を賄ったといいます。
他にも運営側が要求する月1万2,000円の“月謝”、そして週3回ほど開催するセミナーの参加料で計10万円が消えました。実家暮らしの大学生とは言え、決して安くはない金額です。
この情報商材、単に商品を売りつけるだけの仕組みではありません。参加者は誰か他の人を紹介して入会させると、“アフィリエイト”などと称する紹介料が5万円分入ります。紹介した相手がさらに別の人を入会させると、元の参加者には2万5,000円が入る――。典型的な「マルチ商法」です。
仮に、この豊田さんが自己破産を申請した際に、裁判所は免責を下ろすのでしょうか?
分かりやすいマルチ商法構図であり、運営している組織を調べ模していない。さらにはご両親からも「詐欺だからやめなさい」と猛反対されている。
にもかかわらず、ご両親に内緒にして消費者金融で借り入れをしての参加です。
もう、遊興やギャンブルの類とお金の使い方としては大差ないように感じます。
実際は裁判官の判断ですので何とも言えませんが、そんなことを思うと腹立たしくなります。