今回もコロナと借金の問題です。
4月7日(火)17時22分の財経新聞配信の記事となります。
今回の緊急融資は、いつコロナが収束するのか、どこまで蔓延するのか先が見通せない中、金額的に十分に借り入れができないといった声が、中小零細企業のあちらこちらから聞こえてきます。
そんな実情を書いた記事がありましたので紹介します。
コロナウイルス禍で最も打撃を受けている業界として、飲食・ホテル・旅行・イベント関連が指摘されている。とりわけ各業界の中小零細業者への影響が深刻だという。
3つの「密」行動への自粛要請に、「潰れろというのか」といった声がSNS上などに多く見受けられる。
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政府も緊急経済対策の中で「信用保証協会を通じた融資の拡充」や「無利子無担保融資の枠拡充」など、危機対応策を打ち出してはいる。
が、客足が大きく遠のく状況下で「明日の仕入れ、来週の支払い」に苦慮する中では「(融資を求める業者の)足元は全く無視した形だけの策」が現状。保証協会の門を現に叩いた飲食店舗のオーナーは、こう語った。
「相談だけで6万件以上あると聞かされた。相談に乗るまでにどの位の時間がかかるか分からないとも言われた。いざ相談が受けつけられても、融資が実施されるまでに1カ月/2カ月とかかればその前に倒産してしまう可能性が高い」。
そんな業者が「自分だけではない」と前置きして、「商工ローンがあったらな・・・と口にする同業者が多いよ」とした。
話は20年余りも前に遡るが「サラ金全盛期」と呼ばれていた頃、いわゆる「出資法と貸金業法」の上限金利の間の「グレーゾーン金利」で荒稼ぎする貸金業者が跋扈した。
過剰回収問題等が社会問題化したことから2006年に貸金業法が改正され、「100万円以上の融資の上限金利は年15%」に定められた。
件の嘆く業者が「あったらな・・・」という商工ローンは、この上限金利15%の貸金業法下の融資商品を指す。
実を言えば、指摘の商工ローンは今もある。
だが実態は影が薄い存在となっている。貸金業協会に問い合わせると、こんな答えが返ってきた。
「06年以前は協会加盟の業者は約1万2000社あった。
だが業法改正で過払い金返済訴訟が多発し始めたのを契機に、今業者数は1500社を割り込むまで減少している。今の法令下の貸金業者も元手は銀行等の融資。
いかに超低金利時代とはいえ100万円を融資して月々の利息収入は1万2500円。商売として考えると厳しいのが現実。と言って銀行系の消費者金融会社は“あくまで個人向け融資”を建前に、誰の目にも先が見えない飲食業者等に商工ローンは組まないだろう」
そんな現実の中で、急浮上しているのが違法業者。SNS上で貸金業資格を有していない筋が、堂々と?「個人融資」を呼びかけている。
売掛債権の売買業者を装う「偽装ファクタリング業者」も少なくない。ショッピングカードのクレジット枠で品物を買わせ、それを担保に違法金利で融資する「違法カード現金化業者」。そう、いわゆる「ヤミ金業者」である。
コロナウイルス禍は、「貸金業法再改正」にもつながりそうな大きな深刻な問題を産み落としているのである。(記事:千葉明)
過払いブームのおかげで正規の貸金業者の多くが疲弊し、廃業した会社もかなりの数に上っています。
今回のコロナ渦では、一見、公的融資が充実しているように見えますが、融資が殺到し対応しきれなくなっています。
個人事業主、自営業者、零細企業など商売をしている人からすると、融資実行まで2か月近くかかると、支払いが回らず事業継続が困難になります。
今後、このような状況が再度訪れることも考えられます。
その場合のために、商工金融に活力がなければ、同じことを繰り返すことになります。
今後どのようなカタチで、商工金融のようなノンバンクを活性化させるかが、問題となります。